道具

Window

窓辺が連れてくる、朝

毎日必ず訪れる朝。差し込む太陽の光や鳥のさえずり。
そんな朝を部屋に連れてくるのは、いつだって窓辺。
カーテンを開けて、背伸びをして、からだを起こす。
気持ちのいい朝を迎える1つの場所として、窓辺にヒントがあるのではないでしょうか。

#One Day Window 「窓辺」について考える

気にしないだけで、いつもそこにある窓辺。そんな場所について
今回は金沢美術工芸大学、環境デザイン2年生の深田詩織さんにインタビュー。
というのも深田さんは、コロナでの自粛期間に「#One Day Window」という企画をSNSで行なっていました。
その企画についてお話をお聞きするとともに、窓辺の魅力について皆さんが考えるきっかけになると幸いです。

深田さんが行なっていた企画がこちら。
「窓の写真を共有することで、人と人とが繋がれたら、そんな試みです。」
深田さんのツイッターより

この企画は深田さんがコロナの期間で行なっていたものですが、発想の元はなんだったのでしょうか。

元々は、「One Day Esquisse」という1日1課題に取り組む、原田祐馬さんのオンラインゼミでの課題の1つでした。
その1課題出される中で、4月15日の15回目の課題テーマが、「家の中にあるもので、家を出ずにお隣さんに売れるものを考えなさい。ただし制約を楽しむこと。」で。出された時にすごい難しいなと思って…。家を出ずにお隣さんに何かを届けるって考えたときに、家の構造上窓越しで繋がってるから、窓を介して何か出来ないかなと私は考えて。

絵画を贈るみたいに、窓辺の風景を届ける

それで一番最初に考えたのが、「Deliver the landscape」という窓辺の風景を届ける提案でした。窓辺にぬいぐるみとか植木鉢とか置く人がいると思うんですけど、そういう景色を、絵画を贈るみたいに隣人のためにお花とか写真を窓辺にディスプレイして、1日ごとに変わる風景をお隣さんに売るというものです。

これを提案したときに、「窓辺の風景を届けるの最高ですね!やってみてくださいよ」と原田さんから講評をいただいて。そこからゼミのみんながムーブメントにしたら面白いんじゃないかって提案してくれて #One Day Window の企画に発展していきました。

相手の景色をつくることが自分の嬉しさにもつながって行きますね。

#OneDayWindow @the___pier

自然に窓に寄り添った時間

隣の人に売れるものとして「窓」に着眼したのが素敵だなと思いました。そこに至るきっかけのような、窓に関する深田さんの経験や記憶は何かあるんでしょうか。

窓はめっちゃ見ちゃう。前から好きです。 特に自粛期間中は外に出られない分、自分の家の窓から景色をみる行為自体が増えてた気がして。アイデア出しの時とかぼーっと考えたり、自然に窓に寄り添ってた時期がすごい長くて。だからこの課題が出されたときも迷いなく「窓」というワードは浮かんできたかなあ。多分一番のきっかけ、記憶はそれです。
もっと遡ると「窓展」がめちゃめちゃ好きで、それで面白いなあと思ってたこともあります。

#OneDayWindow @1.hrkz.1

それぞれの窓が見えた#OneDayWindow

#OneDayWindow をやってみて、何か気づきはありましたか。

「窓」ってアバウトだからそれに絞られてなくて。すりガラスの表情だったり、網戸の感じだったり、カーテンの入る光とか、過去に撮った装飾的な面白い窓とか、ほんとに様々で。みんなが自由にいいなと思ったものを写真に撮っているのが面白かったです。

#OneDayWindow 皆さんも覗いて見てください。

「朝」について考える

せめて朝の時間が完璧であれば、その一日が報われる

素敵なお話ありがとうございました。次に「朝」についてもお話を聞きたいと思います。
「朝ごはんを食べる時間が落ち着く」という話を事前にお聞きしましたが、それはなぜでしょうか。

なんでだろう…(笑)1日の始まりで、うーん。時間ないのにご飯を食べ出すとゆっくりしちゃうんですよね。

私は結構時間ないからって朝ごはんを抜いちゃうことが多くて。

でも、その時間があるからゆっくり1日が過ごせるというか。やっぱり1日の始まりをバッチリ心地よく決めると、後の1日も穏やかでいられるというか。プレゼンのある日の朝は慌ただしくて、あれを毎日続けるとどんどん午後に効いてきてずーっと何か完成しないまま終わってしまう気がして。せめて朝が完璧であれば、その1日が報われるかなっていう気持ちはあります。だから時間なくても、無駄に贅沢に過ごしたくなります、午後の豊かさのために。

なるほど、素敵。バタバタして朝を始めることの方が多いので反省しております(笑) 朝の過ごし方は、その1日を決める大事な時間ですね。朝の時間について今一度注目したいです。

編集後記

「カーテンを開けて陽の光を浴びて朝ですよ~って体に言い聞かせるといいよ」と、生活リズムが狂いまくりの私に友達が教えてくれたことがあります。
やっぱり朝起きるのは辛い。それでも、1日が始まる。それなら気分上げたいですよね。だから窓にちょっと気分が上がる置物を置いてみたり、朝ごはんを豪華にしてみたり。朝起きたくなる楽しみをたくさんつくって、少しずつ朝を好きになって行けたらいいなと思います。

Special thanks_深田詩織さん(@mamo_naku)
写真提供してくださった皆さん
取材・編集五十田あかり